豊高時代の思い出
95期の友村 栄幸です。
高校時代で一番印象に残っている事は、1年生の時の体育大会です。陸上競技と水泳があり、じゃんけんで負けクラス代表として飛び込みになってしまいました。
水泳の授業でも何度かトライしたけど3メートルは下から見るよりも高いし怖い!足から飛び込むのがやっと。水泳部の同級生に頼んで夕方部活が終わった後に練習することに。
なかなか頭から飛び込めずにいる自分に、「もう暗くなるから時間ないよ!」の声。ついに意を決して頭からダイブ!のつもりが、腰が引けて腹打ち着水。プールから上がると鼻血が噴き出し顔面血まみれ。
怖い痛いといってもこんなもんか。おかげで当日は頭から飛び込むことが出来ました(笑)
高校卒業後
浪人する経済的余裕もなく1年間勉強したくもなく、なんとか現役合格した私立大学時代はバイトに明け暮れる毎日。
奨学金とバイト代で生活していたので日中は学校に行き夕方から週5日鮮魚店でバイト、22時から翌朝までコンビニで週2~5日というのがルーティンでした。
今思えばよくあんな生活できてたな。若いからできました(笑)。人と接する仕事を経験し卒業後の就職や現在の仕事にも生かされていると思います。
現在の仕事へのきっかけ
大学卒業後は下関市内の企業に営業職として就職。私は2人兄弟ですが、就職から1年が経とうとした頃に弟が病気から障がい者になりました。それまでなんとなくしか知らなかったものが身近になり、医療や福祉で働く人たちがいることを知りました。
当時はインターネットも無かったので雑誌で調べると、大学卒業資格があれば入れる福祉専門学校があり1年で国家試験(精神保健福祉士)の受験資格を得られることを知りました。大学は外国語学部だったので就職には全く活かせてませんでしたが、この時大学を出ていて良かったと強く思ったのを覚えています。
入学金と1年間の生活費を貯めるため夜勤のある2交代制の工場で2年間働き26歳で入学、田舎の学校だったので寮生活を送りました。
1年間勉強漬けの日々かと思いきや、その時に出会ったサーフィンにハマり11月まで海に入る生活。試験勉強は追い込まれましたが、平成15年3月なんとか国家試験に合格。
社会人になってから人生の中休みとも言える時間、同じ目標に向かって全国各地から入学した年齢も違う仲間と出会いとても良い時間になりました。
卒業後は下関市内の福祉事業所に相談員として就職し現在も同事業所で勤務しています。
うついブルワリー(社会福祉法人内日福祉会)


入職してから障害のある方たちの生活面の相談対応や一般企業への就職支援、工賃(収入)の向上に携わってきました。主に農業を手段として支援していたので、夏場は毎日炎天下の中草刈りをしたりビニールハウスで花や野菜を育てたり、体力勝負の仕事でした。経験もないし自分はそういう仕事は苦手で合わないと思っていましたがやってみると楽しかったり意外と出来るもんです。
その後40歳の時に施設長兼サービス管理責任者となり施設全体の管理をすることになりました。
更なる工賃向上や、社会福祉法人として過疎化の進む地域の活性化のために思いついたのが、ビールの原料であるホップの栽培とクラフトビールの製造でした。
ホップは冷涼な気候の地域が生産地でありほとんど情報もない中、和歌山や福島、京都に視察に行き栽培方法について知りました。また検討を始めた令和元年当時は下関市内に醸造所はありませんでした(現在1か所あり)
地域に無いものを創り、そこで障害のある方たちが生き生きとやりがいを持って働き、製造した商品を地域のお客様に届ける。これを目指して新規事業をスタートしました。
社会福祉法人や福祉事業所が酒類を製造する事例は全国にわずかしかなく、自分自身知識も経験も全くない、本当に0からのスタートでした。福祉法と酒税法2つの法律にまたがる事業を進めるのは大変でしたが、多額の経費もかけて走り出しているものを途中で止めることはできない。
何度も仕事のことが夢に出てきて深夜に目が覚める。そんな日々もありながら、多くの方々の支えや応援をいただいて令和5年4月に酒類製造免許を取得し、下関市内日地区にクラフトビール醸造所「うついブルワリー」をオープンすることが出来ました。

商品名はVACAN CRAFT(バカンクラフト)


下関の呼称である馬関、そしてアルファベットにしたのも意味があります。
Valuable Ale can・・・。地域や障害のある方たちと創るエールビールは工賃をアップできる、やりがいのある仕事をつくれる、地域を活性化できる、そんな想いを込めています。
現在、下関市内を中心に福岡や東京、大阪などでもお取扱いいただいてます。
バカンクラフト取扱店舗
下関市内
ふくの関長府観光会館 オーリック長府店 アルク小月店、長府中土居店、彦島店、安岡店
グリーンファーム(大字植田) 宮村酒店(大字植田) コープここと新下関店
梶原酒店(田中町) 酒工房酒楽(山の田本町) 大丸地下一階お酒コーナー
ふくの里(唐戸カモンワーフ1階) 間瀬株式会社(秋根本町) 道の駅きくがわ
道の駅蛍街道西ノ市 リカーショップ藤津(長府中浜町)
下関市外
SHIMADA酒店(北九州市門司区) ㈱ワイネット(宇部市) 篠澤酒舗(宇部市)
キキーズ上宇部店(宇部市) エル6(福岡市中央区六本松)
今回の同窓会総会でも販売や提供しますので是非お試しください(お酒は二十歳になってから)
在校生へのメッセージ
高校生活で何か成し遂げたものもなければ華やかさの欠片もない、ごく平凡な3年間を過ごした私ですが、今は伝統と歴史ある豊浦高校の卒業生で良かったと思います。今年の同窓会総会に携わっていますが、卒業生がこれだけ母校のために活動している学校は全国でも少ないと思います。
人生50年を振り返り、現役生の皆さんに1つアドバイスがあるとすれば、「心と体の健康を大切に」ということです。
長い人生良いことばかりではありません。辛く苦しい時期を経験することもあるでしょう。
でもこれさえあれば、いつ、どこからでも新しいスタートを切ることができます。

今は何でもネットやSNSで調べることが出来る便利な時代ですが、自分で経験しやってみないとわからないことがあります。少しでも興味のあることはどんどんチャレンジし、その中から自分のやりたいことを見つけ、自分らしく人生を歩んでください。
20歳になったら是非ブルワリーに来てくださいね(笑)。